第七話
『小さな我侭』
食材を買い終えた三人は、そのままユーノの家に向かった。
「着いたよ。ここが僕の家」
ユーノがドアのロックを外し、先に家の中へ。
「お、お邪魔します」
キャロは少し緊張しているようで、恐る恐る家の中へと入る。
「お邪魔します」
フェイトもキャロ後に続いてユーノの家へと入る。
「面白いものは特に無いから、緊張しないでいいよ」
そう言いながらユーノは荷物を自室へと置きに行く。
キャロはユーノが荷物を置きに行っている間、ぐるりと周囲を見回した。
するとユーノの言葉とは裏腹に、リビングの片隅に変な部屋があるのを見つけた。
「フェイトさん。あの部屋って何ですか?」
緑を基調とした、へんてこな部屋をフェイトに訊く。
「あれは『和室』って言うんだよ」
「わしつ……ですか?」
聞いたことの無い言葉にキャロは首をひねる。
「うん。私やなのはがいた世界にある、珍しい部屋のことだよ」
もっと正確に言うならば、彼女達が住んでいた国にある珍しい部屋。
「不思議なお部屋ですね」
キャロは他にも変な部屋がないかと、また周囲を見回し始めた。
と、そこで不思議なことにキャロは気付いた。
「ユーノさんの家って、部屋がいくつもあるんだ」
見た感じでは4つや5つほどの部屋がある。
一人暮らしにしては不相応なほどの数だ。
キャロの疑問にフェイトは「ああ」と納得の相槌を打った。
「ユーノは無限書庫の司書長とは別に、考古学者としての顔もあるからね。論文を書いたりするための資料部屋が必要なんだよ。寝室以外の部屋は大抵が本で埋まってるはずだよ」
キャロの疑問にすらすらとフェイトが答える。
「ユーノさんの家のこと、よく知ってるんですね」
「そうかな? ユーノ、前に住んでたところから引っ越したからね。ここに来るのは初めてだよ」
「は、初めてなんですか!?」
「そうだよ」
軽くフェイトが頷く。
「それなのに、よく分かりますね」
今まで一緒にいなかったのに。
頻繁に連絡を取り合うのは最近だというのに。
それでもフェイトはユーノのことを分かってる。
「幼馴染だからね。これくらいは当然だよ」
フェイトはそれが当たり前と言わんばかりに言葉を返す。
「とうぜん……ですか」
少し釈然としないのか、キャロは首を捻る。
──当然なのかな?
なんと言うか『幼なじみだから』という理由だけじゃ済まないような気がする。
もっと……なんというか根源的な理由。
『幼なじみ』とか『友達』だから、とかじゃなくて。
もっと単純に。
もっと簡単に。
──たぶん、ユーノさんだから。
分かってるんだ。
そんな感じがする。
一緒の時間を過ごしていなくても。
六課の人たちとは比べものにならないくらい、一緒の時間を過ごしていなくても。
『ユーノ』だから。
だからフェイトはユーノのことを分かってる。
そう、感じた。
──すごいな。
これほど、相手のことを分かっていることを。
──羨ましいな。
二人の関係が。
どれほど会っていなくても。
どれほど一緒に過ごしていなくても。
それでも相手のことを分かって答えられる。
キャロの脳裏に思い浮かぶのは、赤い髪の男の子。
──私もエリオ君と……こうなりたい。
フェイトとユーノのような。
そんな関係になりたい。
と、ようやくユーノがリビングに戻ってきた。
「それじゃ、夕食の準備するね」
そして早速エプロンを着けて、キッチンへと向かった。
◇ ◇
──トントントン──とリズミカルな音がユーノの家に響く。
「あの、何か手伝おうか?」
リビングで手持ち無沙汰にしていたフェイトがユーノに訊く。
「うーん、と……材料は切っちゃったし、後は特に人手が必要なわけじゃないから大丈夫だよ」
手元にあった視線をフェイトに向けてユーノは答える。
「っていうかフェイト、料理の味付けとか盛り付けとか苦手じゃなかったっけ?」
「……そ、そうだけど」
フェイトはしぶしぶ頷く。
リニスに基本的な切り方、火の使い方は教わっており、自分では結構良いのではないかと自負している。
けれど、そこから後があまり自信を持っていない。
なのはと争っていたときは料理に興味など無かったし、その後は時空管理局にいたので主にそこの食堂を使っていた。
リンディの養子になった後は義母が作ってくれていたし、たまにある休日は友人達と過ごした。
作ったとしても、お菓子だ。
つまり彼女だって面倒だから料理をしていない、というわけではない。
単に料理をする機会がないから、味付けに自信がないだけだ。
「フェイトもいい加減、料理の味付けとか作る流れを覚えないと駄目だよ。お母さんになった時、困るよ?」
「そ、そうかな?」
「そうだよ。エイミィさんだって母親になると、仕事を休職して育児に専念したんだ。フェイトだって子供が生まれたら育児に励むんじゃないの?」
「た、たぶん……そうなるかな?」
まだ決まった未来ではないけど、おそらくは。
「だったらこれから少しずつ覚えないと。フェイトは食材を切って火を着けるだけで、後はアルフに任せっぱなしじゃ母親としてどうかと思う」
ユーノはそう断言すると、キャロにも同意を求める。
「キャロもそう思うでしょ?」
「え、あの……」
唐突に話題を振られたことで、少し困ったような声をキャロを出す。
「キャロもそう思う?」
少し不安そうにフェイトが尋ねる。
キャロはフェイトの様子に答えづらいな、とは思いながらも素直に自分が思っていることを伝えた。
「えっと……その…………はい」
やはりお母さんは料理が出来たほうがいい。
そう思うのが普通だ。
一方フェイトは、キャロの答えに少しばかり……いや、かなりショックを受けたようだ。
「……やっぱりそうなんだ」
「そんなにフェイトも落ち込まないの。今度から頑張ればいいんだから」
「……うん」
しょんぼりしながら、フェイトが小さく頷く。
「だから今日は僕に任せて。ね、フェイト?」
「……うん。でも、次は私も手伝うからね」
「期待してる」
「絶対だよ!」
「分かってるって」
ユーノは苦笑しながら、再び作業に取り掛かった。
◇ ◇
「フェイト、キャロ、料理を運んでもらっていいかな?」
ユーノの言葉に、フェイトとキャロは出来上がった料理を持って行く。
そしてテーブルの上にはユーノが作った料理が並ぶ。
置いてあるのはフェイトやなのはが育った世界の料理。
「運んでくれてありがとう。料理はこれだけだから座っていいよ」
ユーノに言われてキャロとフェイト、そしてユーノ自身もイスに座る。
「それじゃ、食べようか」
三人で律儀に手を合わせる。
「「「いただきます」」」
まずはフェイトとキャロが食べ始める。
ユーノは二人が食べてる様子を伺っている。
「フェイト。味は大丈夫?」
「大丈夫、おいしいよ」
「ならよかった。キャロは?」
「すごくおいしいです」
キャロの返事を聞くとユーノはほっ、とした感じで笑んだ。
「おいしいって言ってくれてよかったよ」
返答を聞いて、ようやくユーノも食べ始める。
「そういえばさっき、連絡があったんだけどね。なのはもエリオ達と一緒に出かけたみたい」
「なのはも?」
珍しいね、とユーノが付け加える。
「うん。私とキャロがはやての所に行った後、丁度通りかかったなのはを連れてったみたい」
「なのはも良い息抜きになったといいんだけど」
「そうだね」
食事をしながら、穏やかな会話が続いていく。
「キャロは明日どうするの?」
「さっき通信で連絡を取ったときに、エリオ君と一緒に街に出かけることになりました」
「そうなんだ。街には今日行ったから大丈夫だと思うけど、一応は気をつけてね」
「はい」
必要最低限のことをユーノは伝える。
しかし子供達に、そして親友に過剰な世話焼きをしようとするフェイトは違った。
「危ない場所に行っちゃ駄目だよ。変な人に関わったら逃げるんだよ。何かあったらすぐに連絡してね。お金は大丈夫? それと──」
さらに言い募ろうとするフェイトの肩がちょんちょん、と叩かれる。
フェイトが振り向くと、そこにいたのは……かなり呆れ顔のユーノ。
「はい、そこまで」
「だって心配──」
続けようとするフェイトを制す。
「キャロもエリオ君も、もう10歳だよ。過剰な世話は、二人の成長の妨げになると思わない?」
「それは……そうだけど……」
くぐもったような声をフェイトが出す。
「心配することは確かに分かるよ。僕だって心配だしね。けどさ、この子達だって昔よりずっと成長してるんだ。だから今のフェイトがすべきことは、キャロ達が知らなかったことや困ったことがあったら手を差し伸べること……じゃないのかな。二人は君の自慢の子供達なんだから、過分な心配はしないこと」
「……そうだね」
「ただし、この子達は素直で良い子だけど、もしかしたら間違えそうになる時があるかもしれない。その時は間違いを正すことは必要だし、そうすることが大切だから、存分に世話を焼いていいとは思うよ」
世話を焼くのは、時と状況次第。
「キャロ。明日も無限書庫の特訓はお休みにするから、エリオ君とたくさん楽しんでね。けど、あんまり遅くならないように」
キャロには楽しんでくるように、と伝える。
そして、
「あと、二人とも冷めないうちに食べちゃってね」
言われてはっ、としたキャロとフェイトは慌ててご飯を食べ始めた。
◇ ◇
料理も食べ終わり、のんびりと食後の団欒を楽しむ三人。
けれど話しているうちに、いつの間にか時間がかなり過ぎていたようだ。
「そろそろ時間、かな」
時計を見ればそれなりの時間だ。
子供はそろそろ寝る時間だろう。
「キャロはそろそろ帰ったほうがいいよ。明日、エリオ君とお出かけだったよね」
ユーノが帰るように促す。
キャロはユーノの言葉に従ってイスから立ち、帰ろうとした……その瞬間だった。
「…………あっ……」
キャロの目が唐突に潤んだ。
ある気持ちが芽生えてしまった。
──帰りたくない。
いきなり感じたこの感情。
突然、思ってしまった『ここにいたい』という想い。
この気持ちはキャロ自身も気付かないうちに──ユーノの服のすそを掴む──という行為に現れた。
「キャロ?」
「…………あぅ…………」
けれど、声として願望が出ることはなかった。
一方、ユーノはキャロに突然服を摘まれて、どうしたのかと思いキャロの顔を覗いた。
すると彼女の顔は何か言いたそうで、でも躊躇っている……そんな感じを思わせた様相だった。
だからユーノは屈んで、
「ね、キャロ。言ってくれなきゃ分からないよ」
キャロと目線を合わせ、そして微笑んだ。
「……あの……」
でも、まだ躊躇するように言葉が出せない。
それはまるで──我侭を言いたいのに言えない──ようにユーノには見える。
「キャロはね、もっと我侭を言ってもいいんだよ。僕に対しても、フェイトに対しても」
だからユーノはを紡ぐ。
キャロが思っていることを言い易くなるように。
「僕達にとって微笑ましい我侭なら、君にとって大切な我侭なら僕は……僕達は絶対に拒まないから」
ただ、目の前の女の子が素直になれるよう願いながら、ユーノは紡いだ。
「あの……」
「うん」
「あの…………」
「だいじょうぶだよ。言ってごらん」
もう一度、優しい声音で伝える。
そうすると、だ。
キャロは本当に小さな声で呟いた。
「ほ、本当は今日、まだ……一緒に……いたいです。ユーノさんと、フェイトさんと」
これが今、キャロが持ってる小さな我侭。
本当にちっぽけな願い。
ユーノは聞き届けると、満面の笑みを浮かべた。
「うん。分かったよ」
キャロの頭を優しく撫でる。
「今日は泊まっていきたいの?」
「…………はい」
出てくる言葉は少ない。
けれどユーノにしっかりと想いは伝わっている。
「それなら着替えを取りに行かないとね。明日、エリオ君と出かける服はさっき買ったからいいけど、寝る時の服は買ってないから。今から取りに行っておいで」
ユーノがそう言うと、キャロの顔がみるみる笑顔になっていく。
「はい!!」
キャロは元気よく返事をすると、飛ぶようにユーノの家を出て行って着替えを取りに行った。
「フェイトはどうする?」
「私もいいよ。キャロと久々に一緒に寝るのもいいし。それに……ね」
フェイトがちらりとユーノの顔を見る。
「ん? どうしたの?」
「な、なんでもない」
そんなこと言えないから。
そんなこと言わないから。
ううん、違う。
そんなこと分からないから。
キャロは純粋に『お父さん』として頑張って接してくれたユーノと一緒にいたいから。
でも、フェイトは違った。
──どうしてか分からないけど、私もまだユーノと一緒にいたい。
ただ、ただ。
そう思った。
◇ ◇
布団を3枚、和室に敷く。
そしてフェイトとユーノはキャロを挟むように寝る場所をとった。
つまりは川の字だ。
「ユーノの家、布団もあったんだね」
「いずれお客さんが来た時のために、だよ」
「そうなんだ」
「それじゃ、電気消すよ」
パチン──とユーノが電気を消す。
一瞬で訪れた暗闇の空間。
もちろん会話などはなかった。が、三人の中央──キャロがちょこちょこ動いていることに左右の二人が気付く。
「キャロ?」
「あの、少し落ちつかなくて」
少しだけ困ったようにキャロが言う。
「その気持ち、僕も分かるよ」
確かにユーノも寝るときに他人がいるのは慣れていないため、少しばかり妙な感じだ。
「でも、キャロは明日出かけるんだから早く寝ないとね」
「が、頑張ります」
寝ることに意気込むキャロ。
──寝るに頑張るも何もないんだけどな。
キャロの可愛らしい宣言に、ユーノとフェイトは苦笑した。
数分後。
「キャロ?」
動きもなくなり、静かになったキャロは名前を読んでも返事をしなかった。
フェイトがキャロの様子を伺った。
「寝たみたい」
どうやらキャロは頑張った甲斐があったのか、早く眠れたようだ。
「ねえ、ユーノ」
そしてキャロが完全に寝たのが分かった後、フェイトがユーノに声を掛ける。
「どうしたの?」
「さっきのキャロのお願い、聞いてくれたのは『お父さん』だから?」
フェイトがちょっとした疑問をユーノに尋ねる。
「どうだろう?」
尋ねられたことにユーノは考ようとする。
が、答えなど考えるまでもなく簡単に思い浮かんだ。
「たぶん、それもあると思うけど、一番の理由は……憧れてたからだよ」
「憧れてた?」
「そうだよ」
きっと誰よりも。
──憧れてた。
他の人達が当たり前のようにしてきたことに。
「今、こうして寝るときに一人じゃなくて、他の人を感じ取れるということ。起きたら誰かがいるということ。僕はもう10年以上……それを知らないから。だからきっと憧れたんだ。朝にさ、起きたら『おはよう』と言える家族がいて、家に帰ったら『お帰りなさい』って言える家族がいて、一緒にご飯を食べる時に『いただきます』と言える家族がいること。その全てに僕は憧れてた」
ずっと知らなくて、ずっと分からなくて、ずっとずっと……心のどこかで憧れていて。
「キャロの我侭はね、僕の希望でもあるんだよ」
確かになのはとは『家族のような』絆で繋がってはいるけれど。
「僕にも『家族のような』じゃなくて、本当の『家族』ができるんじゃないかって。そう思えたから」
だから。
「だからキャロには『ありがとう』って言いたいんだ」
わがままを言ってくれたことに。
一緒に寝たいと言ってくれたことに。
「こんなにもたくさんの“モノ”を僕に与えてくれたことに」
本当に感謝してる。
「きっと意識してないだろうけど、さ」
くすっ、と笑って眠っているキャロの頭を撫でる。
「この子は皆が“当たり前”だと思っていることを、当然のように持っている“モノ”を欠けてる僕に与えてくれてるんだ」
「……ユーノ」
フェイトの声音が、ユーノを心配していることが分かる。
「大丈夫、寂しいってわけじゃないよ。僕が今、ここにいるのは自分で選んだことだから」
そう、これは自分で選んだ道だ。
自分で選んだ人生だ。
家族を作らなかったこと。
当たり前にあるようなことを、してこなかったこと。
その全てをユーノ自身が選んで通った。
そこに後悔はありはしない。
後悔なんてしちゃいけない。
「でも、それでも…………うれしかったんだよ」
以降、会話は無かった。
お互い喋る必要はなかった。
ただ無言が続いて、静寂が続いて…………いつの間にかフェイトは眠っていた。
「それとね、フェイト。話は変わるんだけど……」
フェイトが眠ったのも確認し、ユーノは小声で彼女に伝える。
聞こえていない彼女に伝える。
「君だけだよ。覚えてたのは」
街に行ったとき、恥ずかしくて答えなかったことを今、伝える。
「はやてのドレス姿も、なのはのドレス姿も正確には覚えてないんだ。けど──」
君だけは。
──他の誰でもない、君だけは覚えてた。
目で追ったわけでない。
見て覚えようとしたわけでもない。
「それでも……どうしてか憶えてたんだ」
君の姿だけは。
今も、ずっと。
◇ ◇
何かが焼ける音がして、キャロは目を覚ました。
「…………あれ?」
目をこすりながら、いつものベッドとは違うことに気が付く。
と、同時に声を掛けられた。
「おはよう、キャロ」
「……ユーノさん?」
キッチンで料理をしているユーノの姿が目に入る。
「そろそろ朝ごはん出来るから、フェイト起こしてくれないかな」
ユーノがいることに疑問が浮かんだが、すぐにユーノの家に泊まったことを思い出す。
そしてキャロはユーノに言われたとおり、隣でまだ寝ているフェイトを起こす。
「フェイトさん、起きてください」
ゆさゆさ、とフェイトを揺する。
すると、案外あっさりとフェイトが目を覚ます。
「…………おはよう、キャロ」
むくりとフェイトが起き上がる。
「二人とも、顔を洗っておいで。そこに洗面所あるから」
ユーノがフェイトとキャロにタオルを渡す。
二人はタオルを受け取ると、洗面所へと向かった。
朝ごはんも食べ、キャロは昨日買った服を着る。
ちなみに髪はフェイトに梳かしてもらった。
「キャロ、そろそろ待ち合わせの時間だよ」
「あ、はい」
家を出るため玄関へと向かう。
ユーノとフェイトもキャロを見送るために玄関までやって来た。
「荷物は後でキャロの部屋に置いとくからね」
「はい、ありがとうございます」
フェイトとキャロは荷物の確認をする。
「忘れ物はないかな?」
「はい、だいじょうぶです」
勢いよく、キャロが頷く。
「うん。それじゃあ──」
ユーノは手をひらひらと振る。
「「いってらっしゃい」」
彼の隣でフェイトも手を振っている。
キャロは二人に見送ってもらえるのが嬉しくて、大きく手を振った。
「行ってきます!!」
そして元気よくユーノの家を出て行く。
大好きな人達に見送られて。
大切な人達に見送られて。
そして今日は、優しい人の下へと向かった。