本当に、伝わっているでしょうか?
「ね、ユーノ」
私はこんなに彼のことを想っているんだということを。
「知ってるかな」
彼は知っているでしょうか?
「私はユーノのこと……すごく好きだよ」
私はこんなにも彼のことを好きなんだと。
「ホントに好き」
想いの1パーセントでも伝わっているのでしょうか?
「今まで、ずっとずっと好きだったよ」
ほんの欠片でも、伝わっていたでしょうか?
「知ってた?」
だからもし、知らないのだとしたら知ってほしいんです。
「これからも、ずっと……」
今、貴方に伝わっていてほしいのです。
「……私はユーノのこと想い続けるから」
これからも貴方に知っておいてほしいんです。
「だからね、もう一度言うよ。私、ユーノのことが──」
私はこんなにも彼のことが──
「大好き」
ということを。
次は「My family」22話の後の話。
── ユーノの家 ──
「お……」
キャロが声を発すると、その場に少しばかり緊張が生まれた。
ユーノとフェイトがキャロに注視した。
特に、フェイトが。
「お、おかーさん」
キャロが照れながらもフェイトのことを呼んだ。
瞬間、フェイトがキャロを抱きしめる。
「ちょ、ちょっとおかーさん!?」
手を振りながらキャロが慌てるが、フェイトはお構いなしにぎゅっ、と抱きしめる。
「ねえ、ユーノ」
そして抱きしめながら、ユーノの名前を呼ぶ。
「どうしたの?」
「お母さんだよ」
「え?」
「私、エリオとキャロのお母さんだよ!」
もう最高! と言わんばかりの表情でフェイトはキャロを抱きしめる。
「そうだね」
微笑ましく思いながら、ユーノは笑顔を浮かべた。
フェイトのこの様子だと、いずれ子離れするときに苦労するだろうな、とは思うが、
「まあ、いいか」
二人に『父』『母』と呼ばれてどれほど嬉しいのかは、ユーノ自身もよく分かっている。
だから今日はフェイトの思うがままにさせてあげよう。
「エリオも後から来るし、初めて二人同時に呼んでもらえるんだ」
さらにキャロを強く抱きしめる。
「あはは」
──それ、僕もなんだけど。
ユーノが心の中で突っ込みを入れる。
けれど、そこまで嬉々とした表情で語るフェイトに言うのも無粋だろう。
「よかったね、フェイト……」
と、ここでドアの開く音が聞こえた。
「すいません、遅れました!」
慌てた感じでエリオがやって来た。
「慌てなくても大丈夫だよ」
「で、でも久しぶりに皆で集まるから」
「急がなくても僕達は逃げないよ」
エリオの様子にユーノはにっこりと笑って、
「お帰り、エリオ」
エリオを迎えた。
「……え?」
少し驚いた表情をエリオが浮かべる。
「お帰り」
ユーノがもう一度言う。
別に一緒に住んでいるわけじゃないけれど。
同じファミリーネームというわけじゃないけれど。
けれど、ユーノはなぜか言いたかった。
「お帰りなさい、エリオ君」
「お帰り、エリオ」
キャロとフェイトがユーノに倣う。
すると、エリオの表情が段々輝いていき、
「ただいま」
家族として当たり前の言葉を。
けれど、彼らの『家族』としては始めての言葉を、言った。
「おいで、エリオ」
ユーノが手招きをしてエリオを呼ぶ。
エリオは笑顔を浮かべながら、三人の元へ行く。
そう、この家族はまだ出来たばかり。
当たり前のことも、当然のこともやったことがないけれど。
でも、今からだって遅くない。
一人は家族が分からなくて。
一人は家族を知らなくて。
一人は家族に捨てられて。
一人は家族を求めて。
そんな彼らでも“これから”きっと、たくさんのことをしていく。
もしかしたら喧嘩をするかもしれない。
もしかしたら泣くことがあるかもしれない。
もしかしたら辛いことがあるかもしれない。
でも、きっと乗り越えられる。
どんな苦難も、きっと。
だって支えてくれる人が、支える人がいるのだから。
すみません。
またおまけでした。
最近時間がなくて……。
申し訳ないです。