では一つ目
場所:団欒できるどこか。
登場人物:「My family」家族四人。
〜〜実はすごいサンタクロース〜〜
「そういえば、そろそろクリスマスだね」
十二月の中盤に差し掛かった頃、ふとフェイトも思い出したように切り出した。
「『くりすます』ですか?」
キャロは何のことかわからず、ユーノに尋ねる。
「クリスマスっていうと……確か空飛ぶトナカイがそりを引いて、それにサンタクロースっていうおじいさんが乗るんだよ。それで、世界中の子供達にプレゼントを配りまわるんだって」
「フェイトさんがいた世界では、そんなおじいさんがいるんですか!?」
「みたいだよ」
実際サンタクロースは現実だとそんなこと出来ないのだが、ユーノはあたかも出来るような口調で話す。
「でも、そのサンタクロースもすごいよね。翼もないのに空を飛べるトナカイを飼ってるんだから。それに子供達にプレゼントを配るとしたら、物質を転移させて子供達に届けてるんだよね? ってことは、相当な魔法の使い手だよね」
もしかしたら、トナカイも魔法でどうにかしているのかもしれない。
「そうだよ。よく考えてみれば、あの世界になのは以上の魔術師がいたんだ。驚きだよね」
「サ、サンタクロースって凄いんですね」
エリオが“なのは以上の魔術師”という所で本当に驚く。
そしてエリオも信じてしまったことで、その場で唯一クリスマスを体験している女性がうな垂れた。
「あのね、大体は合ってるんだけど、基本的に勘違いしてるみたい」
だからまずは、正しい知識を教えるために、このとんちんかんな会話を終わらよう。
「えっと、まずね──」
フェイトは最初から説明する。
クリスマスとは何か。
サンタクロースとは何者かを。
そして説明にかかった時間は……なんと一時間。
というわけで、終わり方は微妙ですがまず、一つ。
時間があれば追加したいと思います。
では、二つ目。
場所:雪が降る街(どの世界でも可)
登場人物:ユーノ、フェイト
上記とは全く関係がありませんので、ご注意を。
では。
〜〜二人のクリスマス〜〜
クリスマスイブ。
世の中では恋人達の8割がたはデートをする日である。
そしてこの日は雪も降っており、デートをするには絶好の日。
「ねえ、ユーノ」
ということで、この二人も世間一般にあやかりデート中である。
「どうしたの?」
「今、思い出したんだけどね」
二人、傘を差しながら並んで歩く。
「十年前の雪の日の帰り道、ユーノさ……なのはと相合傘で帰ったよね」
「えっと…………そうだったっけ?」
「そうだよ」
今もよく覚えてる。
「だからね──」
言うとフェイトは傘を折りたたむ。
そして、
「……いい……かな?」
ユーノの傘の下に入って、腕を絡めた。
そして上目遣いでユーノを見る。
瞬間的にユーノの顔が赤くなった。
「い、いいよ」
どぎまぎしながらユーノが答える。
──それはずるいって。
“それ”をやられたら、ユーノに断る術は存在しない。
そして、何度やられようとも慣れる気がしない。
「ありがと」
フェイトがはにかむように笑った。
その笑顔に、さらにユーノの顔が赤くなる。
おそらくだが……一生この笑顔にユーノは勝てないのだろう。
そして市街地の中心まで歩くと、
「あのね」
フェイトはある物をユーノに見せる。
「これ、クリスマスプレゼント」
フェイトは手提げのバッグから紙袋を取り出す。
「ありきたりなんだけど、手袋とマフラー」
そして中身を取り出して、ユーノに見せる。
「一応、手編みなんだよ」
照れるように笑う。
「ありがと、フェイト」
ユーノは手に取ると、手袋だけポケットにしまった。
「マフラーはしてもいい?」
訊くと、フェイトがこくりと頷いた。
ユーノが大事そうにマフラーを巻く。
「……うん。あったかいよ」
本当に温かい。
本当に……うれしい。
だから、
「僕もちゃんとプレゼントあるんだよ」
プレゼントをフェイトに渡そう。
ユーノはポケットからラッピングされた二つの物を取り出す。
「これがフェイトへのプレゼントだよ」
腕を組んでいない逆の手で、フェイトに渡す。
「えっと……空けていい?」
ユーノが頷く。
フェイトは組んでいた腕を解くと、二つの物のラッピングを丁寧にはがしていく。
「……ピアスと写真立て?」
「うん」
当たり、とユーノが付け加える。
「ピアスは今までプレゼントしたことなかったから、丁度いいと思って。写真立てのほうは今度、子供達と一緒に写真を撮って飾ってほしい」
ユーノがプレゼントした物の説明をする。
でも、フェイトはユーノから貰ったプレゼントだということで……申し訳ないが、少し違う想いが生まれた。
「私は…………その……」
少々後ろめたい気持ちはある。
プレゼントしたユーノの希望には反する。
けれど、フェイトは自分の気持ちを伝える。
「これには、ユーノと二人の写真がいい」
ほんの少しのフェイトの我侭。
「も、もちろん別の写真立てにはちゃんと家族の写真を入れるよ!?」
それが嫌なわけはない。
「でも、これはユーノがプレゼントしてくれたものだから……」
──二人だけの写真が……いい。
するとユーノは赤くなりながらも、少し驚いた表情をした。
「ユーノ?」
「えっと……僕も同じこと考えててね」
そういってユーノはポケットからもう一つ、写真立てを出した。
「二人の写真を飾るなんてフェイトが嫌がると思ってさ。本当はこっそりと写真、飾ろうと思ってたんだ」
写真を飾ったことがないから、なんとなくフェイトは嫌がるんじゃないかと思った。
けれど、
「嫌なはずない!」
そんな馬鹿な話はない。
「ユーノがやること、私が嫌がるはず……ないよ」
恋人が嬉しいことを言っているのに、何を嫌がるはずがあるのだろうか。
「ありがと」
ユーノが一言、感謝を述べる。
「大きなツリーの所に着いたらさ、早速写真を撮ろうよ」
きっと、今目指しているクリスマスツリーを背景に写真を撮れば、さぞフェイトは映えるだろう。
「誰かに頼んで、撮ってもらおうね」
「うん!」
もう一度、フェイトがユーノの腕を取る。
表情は……どちらも笑顔。
理由は…………一目瞭然。
そして無論ではあるが、次の日の二人の机には写真立てが一つ追加された。
そして一週間後には、家族四人の写真が追加された。
というわけで、2時間ほどの書き上げたクリスマス小説です。
おそらく誤字脱字、矛盾はあるでしょうが、ご勘弁のほどを。
ではでは、メリークリスマス。
結城ヒロより。