昔、メールの方に書いた「cross galaxy」の流れを汲んだもの。
『無理だ』
「……理解してる」
『不可能だ』
「……知ってるよ」
『無茶だ』
「……だから、分かってるってば」
『なら、どうしてお前は……』
お前が戦ったとしても、勝ち目はない。
できるのはただ、彼女を傷つけないようにするだけ。
なのにどうして彼は自ら、彼女の前に立とうとするのだろうか。
「クロノ、お前だって分かるだろ?」
理解しているんだろう?
「どうしても救いたいんだ」
どうしても。
どうしても。
彼女を救いたい。
「……ユーノ」
「仕方ないじゃないか。だってどうしようもないくらいに彼女のことを……」
情けなく笑って、ユーノは画面上の女性を見詰める。
「だから行くのか?」
「……うん。会いに行くよ、ギンガに」
まだ、言っていないから。
「答えを伝えに行かなくちゃ」
あのとき、告げられなかった答えを君に。
「僕の想いを、彼女に──“ギンガ”に言わないとね」
戦闘機人だとか人間だとか、どうでもいい。
「だってさ……」
君のことが。
「…………好きなんだ」
本当に。
「だから僕が行かないといけない」
何が出来るのかはわからないけれど。
何も出来ないのかもしれないけれど。
──それでも。
君と足を並べて歩いていくために。
「彼女と笑い合った日々を取り戻すために」
行こう。
次は、とあるアニメに影響されたもの。
ちょっと凄いことに。
「……駄目なのに」
こんな感情を抱いてはいけないのに。
「ユーノはなのはのことが好きだから。だからこの気持ちは忘れなきゃいけないって……」
どうせ叶わない気持ち、願いなのだから。
「だから遠ざけようって決めたのに……! 遠くなれば忘れられるって思ったのにっ!」
それなのに。
「離れれば離れた分だけ思い返しちゃう! ユーノと話したこと、ユーノと笑ったこと、ユーノと触れ合ったことを……ぜんぶ」
1日でもユーノを考えずにはいられない。
「駄目だって分かってるのに、馬鹿なコトだって思ってるのに、それなのに何度も……何度もユーノを想っちゃうんだ!」
涙が零れる。
「私は……」
こんなにも。
「私は……」
これほどまでに。
「私は──ッ!」
フェイトが何かを言おうとしたその瞬間、ユーノが遮った。
「フェイト!!」
そして彼女を力一杯、抱きしめる。
「僕は……ッ!」
狂おしいほどに彼女を抱きしめた。
──違うんだ!
なのはじゃない!
「僕は君が好きなんだ!」
間違えないで。
お願いだから、勘違いしないでほしい。
「なのはじゃない。はやてじゃない。僕は……フェイトが好きだ! 僕が今、抱きしめてるフェイトのことが大好きなんだ!」
「……ッ!」
フェイトがビクリと体を震わせる。
まるで夢であるかのように。
驚くフェイト。
だから、ユーノは彼女にこの気持ちが伝わってほしいと信じる。
だから、愛しいと想っている感情がフェイトに届いてほしいと願う。
「だから君を放さない! 何があっても、どんなことがあっても、君を……!」
もう二度と。
離さない。
「……フェイトと一緒にいたいんだ」
ずっとずっと。
──これからも。
だからね。
「だから僕の気持ちを、今までの僕と君に教えてあげたい」
どうしようもないくらい、フェイトを愛していることを。
「10年前、君を知った僕に」
言いたい。
「9年前、僕とふざけあった君に」
伝えたい。
「8年前、君と願っていた僕に」
声にして。
「7年前、僕を信じてくれた君に」
紡ぎたい。
「6年前、君と笑い合った僕に」
届けたい。
「5年前、僕と遠くなってしまった君に」
悲しかったことを。
「4年前、君と疎遠になった僕に」
情けないほど後悔していることを。
「3年前、僕と久々に会った君に」
どれほど嬉しかったのかを。
「2年前、君と笑いあった僕に」
こんなにも思っていることを。
「1年前、僕に微笑んでくれた君に」
狂おしいほどに想っていることを。
「今、ここにいるフェイトに伝えたい」
この10年分の気持ちを。
「僕は──」
ユーノ・スクライアは。
「フェイトのことが好きです」
心から。
想っている。
「僕はこれからもずっとフェイトのことを好きだから、忘れるなんて言わないでよ。遠ざからないでよ」
もう離れたくないから。
遠ざかっていた時間を取り戻したいから。
ユーノはフェイトを強く強く……抱きしめた。
「いいの?」
「……うん」
「好きでいいの?」
「うん」
「一緒にいていいの?」
「うん」
「触れていいの?」
「うん」
「……私、勘違いしてた?」
「ものすごく」
「じゃあ、なのはは何でもない?」
「そうだよ」
「……そっか」
ぎゅうっと、フェイトはしがみつくように抱きつく。
「そっか」
じゃあ、いいんだ。
ユーノから離れないこと。
ユーノにこうやって触れること。
ユーノを好きでいること。
ぜんぶぜんぶ、いいんだ。
──じゃあ、私も言いたいな。
「私、ユーノのこと大好きだよ」
と、まあ。
こういうわけで新年一発目のおまけでした。
新年始まってから書き始めた、純正の2009年ものです。
下のは「My family」で10話がなくて、その他もろもろの矛盾を無視したら、こんな話になる……わけもなく、アニメを見て影響された、ただの突発的なものです。かなりテキトーです。
こんなんでも皆様のお年玉みたいのになったら幸いです。
では今年一年、皆様が良いお年になることを祈って。
結城でした。