最新話を載せたついでに、今回のNGだったものを。
まあ、知り合いと会話していて書いてみたものです。書くだけ書いたやつなので、こんなのも書いてたんだ、ぐらいで読まれるといいですよ。
それではどうぞ。













3話のユーノとフェイト。
会話シーンにて。



















本当は傷つけたくなんかない。

傷ついている君を、さらに傷つけようとは思わない。


──でも……。


今だからこそ、やらないといけないんだ。


──だって君の心は優しくて、強いけど…………脆いから。


透き通るほどに純粋で、だからこそ硝子のように壊れやすい。

本当は……いつまでも宝物のように大切にしていたいけど、そうもいかないから。

スカリエッティと戦うのであれば、このままじゃいけないと思うから。


──だからあえて傷つけよう。


一度だけ、君を傷つける自分を演じよう。

君が母親だからこそ、気付いてほしい想いがあるように。

ジェイル・スカリエッティと相見えた時、君が平静を保っていられるように。

誰に何を言われても、いつもの君でいられるように。


「……厳しいことを言うよ」


もう、揚げ足は見つけた。
看過することのできない台詞も見つけた。
フェイトを追い詰めるための言葉を見つけた。
これを使って、

「僕は君を傷つける。それでも言わないと気が済まないことがある」

ユーノは一度、大きく深呼吸をして、フェイトを見据える。
紡ぐは、ただ一つ。








「………………勝手にしろよ……」








キャロに言った。

エリオに言った。

だからフェイトにも言う。




「君達“二人だけ”でヴィヴィオを助けたいなら、勝手にしろよ」




エリオの時と同じように、瞳に感情は灯さない。

「ザフィーラさんはヴィヴィオのお守りをしてた。はやてはヴィヴィオを気にかけてくれていた。エリオだってあの子を“同じ存在”だと感じていたからこそ、気にかけていた」

「……ユ、ユーノ?」

急に態度が豹変したユーノに戸惑うフェイト。
けれども、ユーノはそんな彼女を歯牙にもかけず、そのまま言葉を続ける。

「みんな、絶対に攫われたヴィヴィオを助けようと頑張るだろうし、エリオなんて助けようとした結果、怪我をしたんだ」

傷ついたエリオとキャロを見たときは、生きた心地がしなかった。

「もう一度言うよ。二人で助けたいなら勝手にしろよ。あの子を助けたいと願う人たちがいるのに、それでも『二人で助ける』と。そう言ったんだろ…………フェイトは」

「そんなこと──!」

フェイトが何かを言いかけるが、言葉にならない。
何でこんなことを言われるのかが判らなくて、反論する言葉が判らなくて何も言えなかった。
そんなフェイトにユーノは一つ嘆息すると、淡々と紡いだ。

「君の言葉に潜むのはね。……結局、フェイトはなのは以外を信用していないってことなんだよ」

揚げ足を取って、フェイトを精神的に追い詰める。
本当なら、少しでも考えればすぐ否定できるようなもので彼女を追い込む。

「…………ち……違うよ」

「何も違わないさ」

「……違うよ」

フェイトが首を振って否定する。

「フェイトがどれだけ否定しても、事実は変わらない。君がなのは以外を信用していないという──」

「違うっ!!」

フェイトは大声でユーノの言葉を遮る。

「……どう違うの?」

「私は……」

そう言ったみたものの、その後……フェイトの唇が動くことはなかった。


──違う?


一体、何が違うというのだろう。

“二人”で“ヴィヴィオ”を助けようと言ったのは自分だ。

六課の人たちが一緒にいるのに『ヴィヴィオを“二人で”助けよう』と言ったことは……言い訳できない。

「……私は…………」

言葉が見つからない。
何か言おうと思っても、目の前にいる人には通用しない。
簡単に見つけた言葉では、すぐに論破される。

「……ねえ、フェイト」

すると、悩んでいるフェイトにユーノは声を掛けた。

「君はどうして僕達を信用してくれないんだろうね。僕達の実力が明らかに劣ってるのは分かってる。きっと、君と対等でいられるのはなのはとはやてぐらいだよ。それでも頼ってほしいのは傲慢? それでも頼ってほしいのは横柄? それでも頼ってほしいのは……ただの我が侭?」

劣っているけれども頼って欲しいのは、駄目なのだろうか。

「まあ、ザフィーラさんはしょうがないかもしれない。はやてだって、君達ほどヴィヴィオに関わっているわけでもないから、仕方ないとしておくよ。でも、ヴィヴィオの世話をしてくれいた人や……エリオは違うだろ。ヴィヴィオを助けようとしたエリオのことさえも、君はどうでもいいの?」

すでに助けようと頑張った息子のことは、どうでもいいのだろうか。

「あの子は必死にヴィヴィオを助けようとして、怪我をしたんだ」

気を失ってまで頑張った大切な子供がいる。

「フェイトのその言葉は、エリオの想いと行動を無視することになるんだよ」

ユーノの声に抑揚が生まれる。
感情など何もなかった瞳に悲しみの色が燈った。

「息子が怪我までして通そうとした想いくらい…………ちゃんと理解してあげてよ」




















違和感のある彼の態度。

分かっていたのは、彼が私を傷つけているわけではないこと。

そして話しているうちに漏れた、彼の本音。

不意に浮かんだ、悲しみの感情。

ほんの瞬間だけ見えた、ユーノの想い。

それを……フェイトが見逃すわけなかった。




「…………あっ……」




彼の想いに気付いた。

彼の伝えたいことに気付いた。


──そういうことだったんだ。


ようやく、彼のやっていること全てが理解できた。



一つ知っただけで、何もかもが分かった。


──やっと全部……繋がった。


ユーノがしていること。

ユーノの想い。

ユーノの思惑。

全てが合致した。


──……理由は二つ、でいいのかな。


一つは当然の如く、エリオのこと。
あれほどまでに頑張ったエリオを無視して放った言葉を、ユーノが納得するわけがない。
彼がエリオの父親だから、当然だ。
そしてもう一つは…………おそらく今後のこと。

──ユーノはスカリエッティとの戦いを見据えて、こうしてくれてるんだよね。

六課が襲撃された以上、スカリエッティと戦うのは避けられない。
さらに彼女がフェイト・T・ハラオウンであるからこそ、スカリエッティの所へ向かうのは必然だ。

──けれど、相手は天才科学者。

身体的な勝負だけ……ではないのかもしれないからこそ、精神的な戦いも考慮しなければならない。

──だからユーノはこんな方法を取ったんだ。

精神的な負担がある今だから、さらに心に負荷を与える。
スカリエッティと対峙した時、フェイトがうろたえないように。
どんなことを言われても平静を保っていられるほどの心を持てるように、ユーノは一芝居打った。

──ただ、唯一の誤算だったのは……。

エリオの為に、感情が表に出てしまったこと。
ほんの一瞬でも感情を見せてしまったこと。

──ユーノは本当に優しいから。

この人は優しくて、優しくて…………優しい。
自分が傷ついても、私のためだと思うことをしてくれる。
スカリエッティと戦う自分を護る為に。
傷つくほど頑張ったエリオの気持ちを自分に知らせる為に。


──結局、全部ごちゃごちゃになっちゃったけどね。


けれど彼の想いは伝わってきた。


──だから応えないと。


彼の想いと言葉に。

そして何より──


──ユーノが私を傷つけるはずがないんだよ。


そう信じていることを。
自分は彼をこの世で一番信用していることを、彼に知らしめるために。
フェイトは言葉を紡ぐ。























中途半端ですが、こんな感じです。
ちょっとしたNG? みたいなものを載せてみました。

では、結城でした。